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(2015年7月より不定期掲載)
日本と韓国の裏側で暗躍する秘密情報機関JBI…
そこに所属する、二人のダメ局員ヨタ話。
★コードネーム 《 サイゴウ 》 …仕事にうんざりの中堅。そろそろ、引退か?
☆コードネーム 《 サカモト 》 … まだ、ちょっとだけフレッシュな人だが、最近バテ気味

韓国映画の箱

(星取り評について)
(★★★★ … よくも悪くも価値ある作品)
(★★★ … とりあえずお薦め)
(★★ … 劇場で観てもまあ、いいか)
(★ … DVDレンタル他、TVで十分)
(+1/2★ … ちょっとオマケ)
(-★ … 論外)
(★?…採点不可能)

『カト・プロジェクト』(2012)-★ [韓国映画]

原題
『카토 프로젝트』
(2012)
-★
(韓国一般公開 2014年4月17日)

英語題名
『KaTalk Project』

日本語訳題名
『カト・プロジェクト』

KTP2.jpg

(STORY)
前例なし、前代未聞の実験的教育企画、その名は【カト・プロジェクト】。

韓国から発信する新しい芸術を模索する意欲的な計画だったが、主催した韓国芸術総合学校(※)の教授や学生たちにとって、それは全く予想がつかないものでもあった。
(※)1993年に開設された国家戦略に沿って運営されている国立の芸術専門校。日本でも有名な某私立芸大とは異なります。

芸術総合学校近所にある小中学校、総計11名の生徒たちを、学校生と卒業生らが率いて、七つのプロジェクト=作品群を編み出してゆく。

それは、造形、舞踊、音楽、映像、アニメーション、演劇と、多岐に渡るものだった…

その様子を、学生と子どもたちのインタビューを交えて描く、教育ドキュメンタリー。
サイゴウ
「この作品、一応ドキュメンタリーなんだけど、何をどうしたかったのか、結局よく分からない内容だったな」

サカモト
「韓国芸術総合学校が行った【カト・プロジェクト運動】とやらを世間に啓蒙し、あわよくば韓国を代表する定番行事として継続できることを狙ったプロモーションの一端ではないかと思うんですけど、その【カト・プロジェクト運動】自体が、なんだかボヤーンとしてピンと来ません」

サイゴウ
「基本的に学校関係者のインタビューばかりで構成されているし、参加した子どもたちのインタビューにしても、たかが知れた中身。創作活動のプロセスとその結果を観せてはくれるけど、客からお金を取れるような内容じゃない」

サカモト
「やっぱり、こういうものは直接現物を観るか、自分自身が参加して、初めてその価値が分かるものだと思うのですよ。だから、劇中の子どもたちがいかに生き生きしていても、学生たちが感極まって涙流していても、観客としてはどっちらけ。まあ、学生も子供たちも各人の実技レベルは結構高そうですけどね」

サイゴウ
「学校関係者ご自慢のホームビデオ観せられているみたいだよな」

サカモト
「創作ジャンルも絵に映像、ダンスに音楽と多彩ではあるのですけど、映画的なエモーション狙うなら、もっと追う対象を狭く深く絞らないとだめでしょうね」

サイゴウ
「映画として面白い素材がやっぱり集まらなかったんじゃないかな?仕方ないので使える素材を集めて、インタビューを追加して、無理矢理まとめた、って感じ」

サカモト
「韓国芸術総合学校を紹介するプロモーションとしては無難に仕上がっていますけど、そうだとすると尺が長すぎますし…」

サイゴウ
「でもこれ観て、【僕も私も参加したい!】って、皆あんまり思わないんじゃないのかなあ…もっとも、受験競争まみれの韓国で、こういう活動を子どもたちにさせること自体はいいことだと思うし、オレが小学生だったら是非参加してみたいと思うけどさ」

サカモト
「劇中登場する七つのプロジェクトの中で、どれが一番良かったかと聞かれたら、ダンス・パフォーマンスですかね?映像として見応えがあったし、こういう前衛的なダンスをみんなで作り上げて演じることは、日本の学校でやってもいいかな?なんて思いました」

サイゴウ
「日本の学校で指導できるかどうかは別だけどな。でも流行りの音楽でダンスの授業やらされるより面白そうだし、意味はあるかも」

サカモト
「でも、ごく普通の小学生たち全員が、こういう前衛的な創作活動に楽しく積極的に参加できるかどうかは、ちょっと疑問も感じます。子供たちの家庭が情操教育に理解があって、幼い頃からアートに触れているような生活を送っている子供じゃないと、こういった活動はやっぱり楽しめないと思うんですよ。実際、この映画に出て来る子どもたちの大半は、中流以上の家庭の子じゃないかと思うんですけどね…」

サイゴウ
「登場する子供たちは皆、知的で礼儀正しくて綺麗な服装していて、全然粗暴じゃないもんな。やっぱり【つまんねえ父ちゃん、母ちゃん】の【ガサツで無粋な家庭】で育てられた子供だと辛いと思うよ。でも、中には今回のような活動に触れることで、新たな自分に目覚める子供もいるだろうから、やっぱり後は、大人側が子供たちをどう導いて行けるか、という問題なんだろうな」

サカモト
「そこら辺の問題って、日本も韓国も基本的に厳しいような気がしますね。国以外にも地域差が大きいでしょうし…」

サイゴウ
「ただ、こういう実験が施行されて、それを記録した作品が作られること自体は、やっぱり今の韓国における情操教育と、それを取り巻く環境に疑問を感じている人もいる、と言えるワケで、【カト・プロジェクト】施行の十年後、二十年後に、多少なりとも良い結果が開花して欲しいとは思うよ」

サカモト
「ただ、それは【カト・プロジェクト】自体の話であって、それを記録した今回の映画は映像作品として【やっぱりどうも…】です」

サイゴウ
「EBS枠内で流したり、小中学校で授業中に観せたりする分にはまあ、いいんじゃない?保護者だって、これ観て子供の情操教育に関心抱く人は必ずいるだろう?」

サカモト
「それはそうですけどね。結局、後は大人たち次第ということなのでしょう」

サイゴウ
「それよりも、この映画は【カト・プロジェクトがどうたら】じゃなくて、やっぱり国立機関である韓国芸術総合学校のプロモーションをやりたかっただけ、って感じだな」

サカモト
「なんでもかんでも【国立・国営・公社】の助成事業にしないと進まない、成り立たないという、韓国の抱える慢性的な弱点かつ特徴も、何気で浮かび上がらせていたのではないかと…」

サイゴウ
「そういう点、日本はいい意味で【無頼の雑草たち】が文化を支えているから強い、って言い方ができるかもな」

サカモト
「でも、最近は日本内でも一部が【Cool Japan】だとかなんとか、変なコピーを主張し始めていますから、あまり人のことは、我々もとやかく言えませんけどね」


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