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(2015年7月より不定期掲載)
日本と韓国の裏側で暗躍する秘密情報機関JBI…
そこに所属する、二人のダメ局員ヨタ話。
★コードネーム 《 サイゴウ 》 …仕事にうんざりの中堅。そろそろ、引退か?
☆コードネーム 《 サカモト 》 … まだ、ちょっとだけフレッシュな人だが、最近バテ気味

韓国映画の箱

(星取り評について)
(★★★★ … よくも悪くも価値ある作品)
(★★★ … とりあえずお薦め)
(★★ … 劇場で観てもまあ、いいか)
(★ … DVDレンタル他、TVで十分)
(+1/2★ … ちょっとオマケ)
(-★ … 論外)
(★?…採点不可能)

『その人、枢機卿』(2013)★★ [韓国映画]

原題
『그 사람 추기경』
(2013)
★★
(韓国一般公開 2014年8月6日公開)

日本語訳題名
『その人、枢機卿』

kimu.jpg

(STORY)

韓国人初のローマ・カトリック枢機卿であり、韓国内カトリック信者から親しみを持って敬われた金寿煥(김수환)が、2009年2月の厳冬期に、この世を去って早五年。

その辿った軌跡を、数々の未公開映像と、彼を知る人々のインタビューを交えて描くドキュメンタリー。

サイゴウ
「【韓国】という事象を日本人が考える時、大きなボトルネックになるのが、彼の国の宗教事情だ。それはもちろん【韓国のみならず】ではあるんだけど、韓国におけるキリスト教の位置付けや影響、そしてカトリックとプロテスタントでは何がどう違うのか、正直言って把握は難しい。ここ十年、韓流ブームの影響で巷には【自称韓国通】の日本人が爆発的に増えたけど、その中で韓国社会を宗教的視点で語っている人はほんの一握り。日本の宗教事情を考えれば当然ではあるんだけど、【韓国におけるカトリックの存在】を皮膚感覚で理解していないと、『その人、枢機卿』のような作品は観ていてシンドい。第一に彼の何がそんなに偉いのか、理解出来なかったりする」

サカモト
「【枢機卿】なんて言われても日本では【ヨーロッパの偉い人】というイメージがせいぜいでしょうし、【どうして韓国に枢機卿がいるんだ?韓国は儒教の国だろ?】なんていう人が日本にいても全く不思議ではありませんからね」

サイゴウ
「オレもその一人だな。だから、未公開映像が多数使われていると言われても、その価値がよく分からなかった」

サカモト
「ただ、それって、韓国の一般人でもあまり変わりないと思いますよ。もちろん、金寿煥枢機卿の認知度や影響力、敬意は日本と比べ物にならないでしょうけど、キリスト教、特にカトリックの熱心な信者ではない限り、やっぱり基本的には無関心だと思います」

サイゴウ
「日本のサイトでも【きんじゅんかん】で検索すると結構ヒットするから、関係者の間では著名人なんだろうけど、やっぱり普通の日本人にとっては【どこの誰やら知らない人】だよな。だから、今回の作品にしても、2011年に公開された『バカ(바보야)』(※)にしても、映画で当人をいくら祀り上げても全くピンと来ない」
(※)『바보야』…2011年に韓国で公開された、金寿煥枢機卿を描いたドキュメンタリー作品。アン・ソンギがナレーションを担当。


サカモト
「というか、両作品とも【金寿煥枢機卿を知っていて当然、常識である】という前提で作られているとも言えますからね。そもそも、カトリック信者以外の日本人が観ることは全く想定していないでしょう」

サイゴウ
「韓国側が日本の宗教事情を知って作っているワケもないしな」

サカモト
「今回の作品は、『バカ』に比べると、金寿煥枢機卿自身をよく追っている内容になっていたと思います。死後五年経って、やはり初めて公開できる映像も多かったのではないでしょうか?」

サイゴウ
「年代順に金寿煥枢機卿の経歴をかなり細かく描いている。当時を知る人たちのインタビューが多く含まれているんだけど、その取材も結構大変だったと思う。ただ、あんまり枢機卿の人間臭いブラックな面が見えてこなかったので、観る人によっては【所詮、プロパガンダさ】という印象だろうな」

サカモト
「公開されている映像を見た限り、金寿煥枢機卿という人は【バカ】を演じつつも、思ったことを率直に顔に出す性格だったと思うので、あまり表裏はないというイメージがあります。今回、若い頃や無名時代の写真が沢山紹介されますが、意外とその表情が厳しかったり、インタビュー映像では、ふと陰を見せたりと、よく観ていれば【一個人としての金寿煥像】をそれなりに描いていたのではないでしょうか」

サイゴウ
「でも、インタビューでは皆、氏の人柄の良さを褒め称えるばかりだったので、そこに怪しさを感じる人は韓国でもいるんじゃないか?若い連中なんて特にそうだろう」

サカモト
「個人を告発することが目的の作品ではありませんから、それは仕方ないでしょう。第一、キリスト教嫌いの韓国の若者は、こういう映画を絶対観に行きませんよ」

サイゴウ
「今回もちょっと残念だったのは、やっぱり日本留学時代について触れていないことだ。そこら辺は『バカ』の方が、まだ、それなりに描いている」

サカモト
「作品の性格上、それはやっぱり無理に近いと思いますよ。当時の彼をよく知る日本人は既にこの世にいない可能性が高いですし、そういったリサーチはえてして韓国側の得意とするものではありませんし、やればやったで叩かれるでしょうし…ただ、日本時代について突っ込んだインタビューが残せれば、日本人にとってあh、それなりに価値が出ていたとは思いますけど」

サイゴウ
「『バカ』と扱っているテーマが重複しているから、どうしても比較せざるをえないんだけど、日本人としては先に『バカ』を観てから、この『その人、枢機卿』を観ることを薦めたい。『バカ』の方は金寿煥枢機卿自身を描くことについてはツッコミ不足なんだけど、韓国現代史概論として分かりやすい作品だったし、韓国社会とキリスト教の密接な繋がりがそれなりに分かる作品だったからだ。まあ、両作品とも字幕を付けて日本で一般公開なんてありえないとは思うけど、教材としてはそれなりに価値があるんじゃないかな?」

サカモト
「日本人としては【日本における現代カトリック事情】みたいな作品を製作して、韓国と比較すると面白いかもしれませんね」

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